Bitcasa のメモ(フォルダタイプ、信頼性、キャッシュサイズ等について)

2012/06/02 by hrk | 情報が古い

ベータ期間が終了したり、いろいろ変わったりしたので続編 Bitcasaがベータじゃなくなった をどうぞ。(2013/02/06追記)

値段が99$/月になってしまって、さすがに諦めました。HDDまるごとバックアップすると散々待たされた挙げ句失敗ファイルがゴロゴロ+キャッシュを消しても消えない大量の作業ファイルがHDDを圧迫みたいな感じにも(頑張って対処して来たけど)疲れました。(2014/03/26追記)


Bitcasa は容量無制限のクラウドストレージサービスで、ベータテスト中は無料、本サービスが開始されたら 10$/月 の予定との事です。

容量無制限!という点がなんかスゲエ感溢れていていいのですが、開発がガンガン進んでいてちょっと Web 上の記事が追いついていなかったりする所があったので、自分が使ったり調べてみてのメモから構成した記事を書きました。3種のフォルダタイプ(特にBitcasaの特徴である Infinite モード)と、信頼性、キャッシュサイズの管理について詳しく書いてあります。

Bitcasa のフォルダタイプ

Bitcasa のウインドウにフォルダを追加すると

  • Infinite
  • Sync
  • Backup

の3つの選択肢が出ます。以下、各フォルダタイプについて説明します。

Sync と Backup

“Sync” は Dropbox と同じく、複数のマシンでフォルダの同期を取る事ができる機能。 “Backup” はフォルダのバックアップを取る機能です。マシン1台だけで使用している場合はどちらも同じ機能になる筈です。

Infinite とは違いローカルHDDに存在するファイルの同期/バックアップとなるため、(当たり前ですが)オフラインでもファイルが使えます。また、フォルダの容量はローカルHDDの残容量のまま、変わりません。

Infinite フォルダ

“Infinite” に設定したフォルダは、ローカルHDDと無関係な Bitcasa ネットワーク上にのみデータが保存されるフォルダとなります。このため、フォルダのファイル容量が実質無限大に増えます(みかけ上は 5xxテラバイト みたいなすごい数値が表示されます)。また、同期のような機能は一切無いので、Bitcasa上のフォルダに変更加えてもローカルに一切反映されませんし、オフライン環境ではフォルダにアクセスできません。

既存のローカルフォルダを Add->Infinite した場合、フォルダが Bitcasa 版とローカル版と2重に存在する事になり、ファイルシステム中の同じ場所にあるフォルダが「ネットに繋がってて Bitcasa 起動中は Bitcasa 版が見える」「そうでない場合はローカル版が見える」という状態になります。これは結構ややこしい事態なのでこの様な使い方はせず、新しく作った空のフォルダを Add->Infinite して、ローカルフォルダとは分けて使うのがオススメの使い方です。

“Infinite” にしたフォルダ内のファイルはオンラインから取得されるため、アクセスに時間がかかります。48kHz-24bitの音声ファイルの場合、開く時とシーク時に数秒〜数十秒待たされる感覚です。ファイルサイズとファイルタイプによってはさらに待つ必要があるかもしれません。もちろんファイルがキャッシュに入ってくれれば、ローカルHDDと同じ速度でアクセスできます。また、オフラインな場所ではアクセスできなくなる事に注意して下さい。

まとめると、以下の様な使い方がオススメという事になります

  • Bitcasa の Infinite フォルダは、空の新規フォルダから作る
  • Infinite フォルダに保存するのは以下の様なデータ
    • あまり頻繁にアクセスしないけどローカルHDDに置いておくには大きすぎるデータ
    • とても大きなデータを誰かと共有する場合
    • これまでは保存しておけずに捨ててしまっていた大きなデータ(映像・音楽作品の、作業が完了した後のプロジェクトファイル等…)

Bitcasa の信頼性について

個人的には、 Bitcasa はまだβ版という事で、できればローカルにバックアップがほしいと考えています。でもそれだとせっかく容量無制限のサービスを使う意味が無いですよね。

Bitcasaによれば、Bitcasaのデータは「99.999999999%の耐久性と99.99%の可用性がある」 Amazon のデータセンター(Amazon S3 の事だと思います)にホストされており、同時に2カ所のデータセンターで故障が起きても復旧が可能(3カ所以上のデータセンターでミラーリングしているんですね)である、β版といえども十分堅牢であると主張しています。

それでもクライアントのバグでデータにアクセスできなくなってしまう等の危険性はまだ残る訳ですが、「最悪消えても我慢できるデータ」であればローカルのバックアップ無しで Bitcasa のみの保存でもOKなのではないかと考えています。あと、ローカルに保存しているデータのバックアップとして使うのであれば、とてもいい選択肢だと思います。

また、データを盗聴されないかどうか…というセキュリティについてですが、 Bitcasa はローカルコンピュータで暗号化を行い、サーバ上に暗号化したままのデータを保存するシステムになっているそうです。実際、大きなデータをアップロードする際にはかなりCPUを使用しており、暗号化を行っている事が感じられます。仕様として Bitcasa の管理者であっても保存されているデータを閲覧できない(復号できない)様になっているとされており、この点については(クライアント内 および フォルダの共有を行った際の鍵の管理がどうなっているのか…にもよるのですが)信頼できるシステムなのではないかと思います。

Bitcasa のキャッシュサイズについて(Mac版の話)

Bitcasa のクライアントが大きなキャッシュを作成し、ディスクが圧迫される事があります。 Bitcasa のキャッシュフォルダのサイズは、 Finder では正しく表示する事ができません。これを知るには、ターミナルで次のコマンドを入力して下さい。

du -hs ~/Library/Caches/com.bitcasa.Bitcasa

表示されたキャッシュサイズが極端に大きかったら、 Bitcasa の Setting > Advanced ペインで Clear Cache ボタンを押してキャッシュを削除しましょう。

ちなみに、最新版のクライアントではこの現象が改善されている様なので、キャッシュの削除が必要になる事はあまりないかもしれません。(以前のバージョンの Bitcasa クライアントでは大きなフォルダ/ファイルの Bitcasa アップロード時にキャッシュ領域が巨大化し、システムが死にかける程HDDを圧迫する事がありました…)